June 05, 2006

「キクとイサム」

こんなに優れた邦画がちょっと昔はあったのだ。今井正監督の「キクとイサム」、舞台が福島県で、混血児ふたりがシゲ婆さんに育てられ、周りの差別意識がこれでもかと出てくるのだが、いかんせん、福島県だ。笑ってしまう。私の母や叔母や、近所の人たちと登場人物がほとんどおなじキャラクター。口は悪いが人はいい。のびのびと差別してのびのびと差別されている。笑いながら、泣きながら「お前はどうなんだ」と自分に問いかける作品。趙博の「キクとイサム」もぜひ聞いてみたい。私も福島弁で語ってみたい。それにしても北林谷栄さんはこの映画の為に48歳にして総入れ歯にしたという。お婆さんにしては機敏な動きだが、こういうお婆さんもいるし、すごい役者さんがいたもんだ。