October 09, 2013

スベトラーナ、アレクシエービッチさん

10月9日、
明日のノーベル文学賞受賞者の候補の一人として「チェルノブイリの祈り」のスベトラーナ、アレクシエービッチさんの名が挙がっているとのこと。もし受賞したらコメントを、と新聞社から連絡があった。10年前、スベトラーナさんが来日し松本で講演、私も「チェルノブイリの祈り」公演で呼んでもらい、ご本人の前で講談を聞きいてもらった。終演後舞台に上がり「自分が本で伝えたい事を講談で語ってくれた」と激励してくれた事を昨日の事のように思い出す。このとき彼女は「独裁政権のベラルーシでは、私のこの本は有害な本として出版されない。政府が国民を救えないとどうするか。“ごまかし”をする。汚染地域に住んでいる人のところに大統領が行き、「もう、大丈夫」と農村にトラクターを送っている」と言っていた。…今の日本と同じだ。
9年前ベラルーシ視察にいったとき、「あのマンションがスベトラーナさんがすんでいたところ」とガイドさんに教えてもらったのは大きな川沿いの建物だった。しかし彼女はそこには住んでいなかった。政府から追放されフランスに住んでいたのだった。
彼女の独特の表現は詩的であり、哲学があり、情感がある。「チェルノブイリ」から「9,11」から「戦争」から、人類の未来をとらえようとするその視点は愛情に満ちている。だから私は語りたいのだ。迫害を受けながら活躍する彼女がノーベル文学賞を受賞したら、どれほど、「小さき人々」の激励になることか!スベトラーナ、アレクシエービッチさんの受賞を心より願いま〜す。