October 18, 2006

同じ年の友人が…

いわきへ移動。直前、同じ年の友人がなくなったとのメールが入る。昨年までは元気で、地元の私の講談会を手伝ってくれた、着物がよく似合うきれいな人だった。子宮がんが肝臓に転移していたのだった。夕方友人たちと待ち合わせて彼女の元へ。玄関先に聞こえてきたのは彼女の名を絶叫するご主人の声。とたんにみなもらい泣き。彼女の冷たくなった顔を両手でつつんで、大声で、また、ささやくように、妻の名を呼びつづける夫。高校時代の同級生同士が結ばれ、3人の子をもうけ、去年下の娘さんの成人式を終えたばかり。夫は片時も妻を離したがらない、やきもちやきで、ちょっと留守にするのも大変だったという。いつも一緒の個人商店。溺愛され、必要とされ続けた彼女。やさしく、おだやかで、だまって人の話を聞く人だった。私がけがをしたとき、お店の商品を紙袋に入れ、こんなのしかないけど、はやく直してね、と手渡してくれたっけ。
ストレスはなかったのだろうか。今となってはもう聞く事は出来ない。私が死んだ時、果たしてこれほど泣いてくれる男性がいるだろうか。こうして気が狂わんばかりに妻の亡がらにすがりつく夫の姿を、彼女がどこかでみているとしたらやはり聞いてみたい。ほんとうに幸せだった?って…。