February 21, 2006

「『秘めごと』礼賛」を礼賛

先日坂崎重盛さんにお目にかかったとき帽子とタイがとてもおしゃれで、粋な人だな〜。後日彼の新著「『秘めごと』礼賛」をいただき、まず最初の一行でおおっ!と引き込まれてしまった。
「葉ざくらや人に言われぬ晝(ひる)あそび」(永井荷風)
いいではないの!大人っぽくって…坂崎さん、資料を調べているうちに面白くって、2年半かかってしまったという書き下ろし。谷崎、荷風、乱歩、啄木、吉行、女流短歌、向田邦子などの秘めごとが粋人の彼の手にかかり、ぐっと身近につやっぽく迫る。谷崎がペディキュアをし変装を楽しんでいたなんて、こっちまでウキウキ。啄木のローマ字日記はなるほど日本語じゃ書けない、かなりすさんでいたのねって感じ。現代がいかに男性にとって不幸な時代か。年間約3万人の男性がが自殺を選んでしまっているが、「秘めごとや隠しごとは大人をさらに大人にする」この本を読んだらばかばかしくて死んでいられないよ、きっと。「遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけむ」っていうのは有名だけど「秘めごとせんとや生まれけむ」も。これすべて想像力なのね。

Posted by k-kaori at 09:55:32 | from category: Main | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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