April 26, 2012

チェルノブイリ原発事故から26年目

きょうはチェルノブイリ原発事故から26年目だ。
23日いわき市でベラルーシのベーラ・ルソーバ、小児科医、バレンチーナ・モロゾーバ、元教師の二人から事故直後から今日までの報告を聞いた。
おふたりが住んでいる場所はチェルノブイリから250キロ離れているが、3分の1が飯舘村ぐらいの汚染。
5年間暮らしたが除染しても線量が下がらず、それから移住をはじめたそうだ。

バレンチーナさん
きょう避難区域に入り話を聞いた、帰りたい人に気持ちが良くわかる。
チェルノブイリの事故は数日間知らなかった。季節がいいので屋外にいた。事故を知ってまずは子供のことを考えた。
5月に子供達を避難させようとなった.親たちを説得、サナトリウムに避難。国地域の自治体がどうするか考えている間、避難させた。
避難は86年から今も続いている。
最初は年に2回、今は年に1回。事故後地域の教育関係者の学習がはじまる。
放射能から身を守る授業が始まり、それは今でも続いている。
親を説得するのも教師の仕事。農作業の手伝いがあっても年に2回サナトリウムの必要を訴える。
親には線量を量るよう、指示する。
日本でも同じような取り組みがあると知った。
汚染の高いところは制服を2着、学校にきてから着替える。
事故後4年間国が除染したが、ある地域では効果なし、移住をはじめる。
もちろん、引越しは自由。
自分も移住で悩んだ。6・8歳の子供がいた。故郷を捨てる困難と待っている困難を比べて残ることにした。
できるだけ、被曝をしないよう、気をつけ、私たちはその地で生きて行くことにした。
一番大変なのは未来に対する不安。
今では線量が下がったので測らないが、森のもの、川魚などは今でも測っている。
年に2回の検診。チェルノブイリとフクシマを2度と繰り返さないように。

ベーラ・ルソーバさん
最初に住民からのメッセージを読み上げる。
「今回の事故、津波の被害に心を痛めています。26年も汚染地区で生活しています。健康と無事をお祈りします」

5月から避難が始まった。秋には小児科医、内分泌医などのミンスクやモスクワの医師団がやって来て
エコー検査、ホールボディカウンターなどを開始。
健康被害のある子供が出てきた。州の病院に送られ精密検査。
事故後、調査委員会が作られた。その委員会で避難、除染など様々なことが決定された。4年ごとに被害結果をまとめる様になった。
ゴメリ州など、放射線病院が開設。(ここは私も7年前に訪ねている)
被曝した人たちが登録され追跡調査。地域の汚染度。食物の汚染度調べる。
25年後汚染は減少、この5年間、子供の内部被曝はなし。
とにかく食品に気をつける。
マキの線量も量る。野生動物の肉も井戸水、水道水も量る。
当初と比較すると10分の一に減っている。
ほとんどの食べ物の75パーセントが基準値。

甲状腺の病気は事故後増加した。事故後2・3時間後にヨー素を飲むことがなかった。
日本人は普段からヨー素をとっているが、自分たちはもともと食べ物にヨー素が少ない。ミルク、パン、塩などにヨードを足したものが販売されている。
まずしい家も多いから。ビタミンを渡している。
できるだけ、放射線を体外へ出すため子供達の保養も行われていた。
有給休暇の延長、給料の増加。子供の医薬品がただ。幼稚園費や、小学校の給食が無料など国からの保証がある。
実は自分がすむ地区の母親たちといわきが事故後から関係している。
いわきの家庭が夏の間、子供を受け入れてくれた。

最初の1・2年は妊婦が悩み、妊娠の最初の頃の検査をする。胎児が障害をもっていると中絶。事故後2.3年は精神的なストレスから神経、心臓系でなくなる人が増えた。
放射能と関連した、皮膚、肺、膀胱がんが増加した。

お二人の話を聞いて、いまからでも遅くないから政府は瓦礫の処理、食物の取り方など謙虚に学ぶべきだと確信する。福島原発事故の未来がここにあるのだから。

最後に、大熊町の人からの質問。「事故後山梨へ避難。福島からきたというだけで子供がいじめられた。近所付き合いをたたれた。
ベラルーシでも偏見はあったのか?」

ベーラ・ルソーバさん
「大熊町は様々な汚染がある。自分たちが移住するかしないか悩んだ同じような数字だ。汚染地区の子どもは同じような目にあった。
握手をさけられたりした。子供達は「チェルノブイリのハリネズミ」と言われた。
大切なのは希望を失わずに正しい知識を与えること」との答え。

そのベラルーシでは原発を建設中、国民投票で決定したのだ。経済が支配する現実があると首をすくめるベーラさん。
我が国はそうはさせない!と決意を新たにした一日でした。




Posted by k-kaori at 14:15:01 | from category: Main | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
Comments

恵:

ノ−といえる日本人
意識革命はわたしにもいえる
変わろう・・変えていこう
(April 27, 2012 22:28:50)

k-kaori:

恵さん、滝三枝子さんという泉の私の同級生が2日前に心筋梗塞で急死されたと、さきほどいわきの友人から電話がありました。田人に住んでいたそうです、あそこはいわきの中でも線量が高く…もしかしたら。因果関係が証明できないだけに余計に残念。
(April 30, 2012 20:05:35)
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