March 24, 2011

「その日の風向き次第だっぺな」

ほうれん草など葉もの、牛乳が汚染され始めた。
東京の水道水からもヨウ素が検出された。
故郷福島の農業はどうなる?漁業はどうなる?生活はどうなる?
放射性物質が地球を汚染し始めている。断腸の思い。
焼けただれて見る影もない福島第一原発の4基の原発。
「チェルノブイリの祈り」のチラシの建屋よりもっと無惨。

私はチェルノブイリの消防士の妻の、事故後10年目の独白が載っている本「チェルノブイリの祈り」を講談で語っている。「急性放射線障害で2週間後に亡くなる迄夫に付き添った妻がなぜ無事だったか。お腹の赤ちゃんが母親の放射能を引き受け、おして生後4時間後に肝硬変でなくなったからだ。
私が講談「講談チェルノブイリの祈り」を語るきっかけは25年前のチェルノブイリ事故の時、さすがに心配になり、父に「福島原発で事故がおきたらどうするの」と。父はしばらく考え「その日の風向き次第だっぺな」。講談のマクラでこの話をし笑いをとっていたが、まさか、それが現実になるとは。
いつ、日本でも原発事故が起るか分からない、万が一福島原発だったら私の故郷友人知人家族達が大変な目にあう。想像力に訴えようとこの講談を作った。10年間で全国60数か所で語った。今回の事故の後「あの講談の通りになってしまった」と講談を聞いた人たちが口々に。だから余計に悔しい。

講談「チェルノブイリの祈り」のラストシーンは創作した。静かな語りから場面が変わり回転灯が回りだすと「20××年×月×日マグニチュード7,8の地震が東北の原子力発電所を直撃、史上最悪の原発事故が発生。放射能雲は折からの強風にのり3時間後には関東地方〜と国中に広がって行く」。
このラストシーンを入れるかどうかは主催者の選択に任せた。皆ぜひやってくれと。感想は「はやく原発を止めなければと思った」「怖くなった」「あそこまでやらなくても」と様々。各地で公演の際は最寄りの原発にかえた。直近は「静岡県の原子力発電所」。どうか、手遅れにならないうちに!

March 22, 2011

大地震時代の到来?

福島産の乳製品から、また、原発周辺の海水から基準以上の放射能が検出、これから福島はじめ東日本の各県の野菜や魚が売れなくなる。福島県といっても広いのだから、ひとくくりに放送するのはどうかと思う。まったく配慮がなさすぎだ。

ツイッターの情報からです。
なるほど、相当頭をきりかえなければ!
「大地震時代の到来?ちょっと怖いなあ→日本の地殻は、言わばパンドラの箱が開いてしまった状態 / 東日本沖で起きた巨大地震について 静岡大学防災総合センター教授 小山真人 http://htn.to/R6Cka8」

東日本沖で起きた巨大地震について
静岡大学防災総合センター教授 小山真人
(2011年3月21日記)
大変なことが起きてしまいました。日本海溝に沿った三陸沖から茨城沖までのすべてのプレート沈み込み境界が同時に破壊し、マグニチュード(以下、M)9.0という超巨大地震が起きました(図1)。
この震源域の北に隣接する千島沖から十勝沖までの領域では、数十年に一度程度、M8〜8.5程度のプレート境界地震が比較的規則正しく起きてき た場所ですが、今回の震源域内の三陸沖や宮城沖では歴史上M7〜8.5程度の地震は見られるものの、その規則性や頻度は不明瞭でした。その南側の福島沖と 茨城沖にいたっては歴史上M7〜7.5程度の地震がぱらぱらとある程度でした。
つまり、少なくとも歴史上に無かったこと、おそらく1000年に1度程度か、それ以上の低頻度大規模災害が起きたのです。21世紀なかばくらいまでに東海・東南海・南海地震の同時発生が心配されていましたが、それ以上のことが東日本太平洋岸の沖で先に起きてしまったのです。
さらに、これも一部の学者の間で懸念されていた「原発震災」が、福島原発で本当に発生してしまいました。原発震災はまだ進行中で、全く予断を許さない状況が続いています。こうした中で大規模余震や続発地震・津波が起き、原発周辺に再び被害を与えて収拾がつかなくなることが今もっとも心配です。
また、今回の地震では、三陸〜茨城沖にある南北500kmにおよぶ巨大な震源断層面が最大30mほどずれ動きました。さらに、地震後も震源断層 は安定化せず、「余効変動」と呼ばれるゆっくりとした断層運動が継続しており、その一部は震源域の周囲にも洩れ出しているように見えます。(国土地理院による)
こうした一連の断層運動は、一部の場所で地殻の歪(ひずみ)を解放させる一方で、別の場所では逆に歪を蓄積させることがよく知られています。東日本全体の地殻歪が再配列・不安定化したのです。
こうした歪変化は、一部の地震や火山噴火を促進させる影響を与えるため、さっそく富士山の真下で3月15日夜の地震(M6.4)を引き起こしました。さらに茨城沖の南側に横たわる房総沖のプレート境界でのM8級の続発地震も心配ですし、関東平野の内陸直下の地震に与える影響も懸念されます。こうした歪の再配列にともなう地震や火山噴火が、今後数年かけて東日本全体で起きていくことになるでしょう。
実際にインドネシアでは、2004年スマトラ沖地震(M9.1)の南側に隣接したプレート境界で、3ヶ月後にM8.6の大地震と大津波が生じま した(図2)。その後も、M8級の大地震が何度か引き続いて今日に至っています。こうした状況が今後日本でも続くことが懸念されます。
つまり、日本の地殻は、言わばパンドラの箱が開いてしまった状態にあります。これまでの地学的に平和で安定した時代は終わりを告げたと認識し、どうか頭を切り替え、限られた資源とマンパワーを有効に配分してください。そして、住民全員が十分な防災対策をしつつ、この長い未曾有の国難を乗り越えるために、それぞれの持ち場で自分の培った力を存分に発揮してください。私も自分ができることを遂行していきたいと思います。


March 20, 2011

後藤政志さん、分かりやすい!

本当は何が起こっているのか 3/19
東芝の元原子炉格納容器設計者、後藤政志さんが
17日午前、参議員議員会館で院内集会がありました。

http://blog.iwajilow.com/?eid=1070906

非常用のディーゼルも立ち上がらない。冷却機能が損なわれている。冷却ができなくなると、水が蒸発します。水位がどんどん下がってきます。外から水を入れないので燃料がすごく高温です。問題は冷却できるかどうか。ほかのシステムで何とかやりくりしながら水を入れようとトライをしています。

格納容器の近くに圧力抑制室がある。これは配管が破綻したとか原子炉で事故があると、その蒸気がここのプール(水のプール)に吹いて、温度が下がって体積が縮まるという仕組み。(圧力抑制室は容器内の水蒸気を水に戻して、圧力を下げる役割がある)その圧力抑制室もだめになっている。
今回は格納容器の圧力が想定の2倍にまで上がった。何かトラブルがあっても最後は格納容器でがんばれるから放射能は漏れないという設計なのに格納容器自体がだめになっている。穴が開いている可能性がある。
外の配水系も津波でやられている可能性がある。ディーゼルも津波でやられている。津波で相当厳しいものがあって同時にいろいろなものを壊している。安全システムはいっぱい作っているが地震は同時にたくさん壊れる。冷やすためには水を入れる水源が必要、ポンプが必要、ポンプを動かすにはエネルギーが必要。この3者がないと動かない。しかも放射能があるので大変作業が厳しい。チェルノブイリでも上空からまこうと思ってパイロットが被曝してみんな死んでいる。
みんな決死隊。被曝しながら作業を行っている。それを考えたらたまらない。原子力の危険性に対してきちんと認識した上で対策を考えるべきである。それを踏まえた上で冷静に対応する必要がある。
簡単に収束はできない。なぜかというと、もうポンプは動いていない。水があるだけ。水があるから何とか維持している。水は蒸発するのでまた水を入れる必要がある。冷えるまでそれを繰り返していかなければならない。
1号機と3号機については建物の中で水素爆発が起こった。現在使用済み燃料プールがむき出しになっている。ここには非常に多くの使用済み燃料がある。使用済みというのは放射能が減っているわけではない。原子力というのは核反応を進めると非常に多くの放射能を出すようになる。それがたくさんある。それは非常に怖い。
2号機において爆発があった。格納容器が破損している可能性がある。圧力が1気圧になっているのでツーツーになっている。格納機能を失っている。ものすごい大きな穴が開いているのではないかもしれない。普通は24時間圧力を計算します。そういうオーダーで漏れがないということを確認して運転をするがそれをとっくに超えている状態。これだけですめばいい。ここから先が問題。
もし仮に水の供給ができなくなると燃料が溶ける。それをメルトダウンという。そうすると溶融物がたまる。この溶融物はものすごく高温です。水素が出るので水素爆発の危険性がある。もうひとつは蒸気爆発の危険性もある。溶融物に水を注ぐあるいは水のプールに溶融した金属を落とすと、一気に蒸発して、爆発する。これが蒸気爆発でものすごいエネルギーです。火山の溶岩が水に入るときと同じ現象です。または溶けた鉄を間違ってこぼして下に水があると爆発する。
溶融金属扱うところでは水と接触させるのは最悪だと知っている。蒸気爆発が起こるというのは怖い。普通は蒸気爆発を防ぐためには水を入れないんです。しかし原子炉では水をかけないと冷やせないんですよ。蒸気爆発を覚悟して冷やすんです。蒸気爆発をおきないように冷やさなければいけない。
事故というのは最悪の組み合わせ。皆さんにお伝えするときに、最悪はこういうことが起きます。でも今はそういうところまで行っていませんというのが大事。
今情報がちゃんと出ているとは思えません。
問題なのはそういう状況にあるときにどうするか、避難させるときに理由を言わずに非難させるのはおかしい。ありえないというこという人はいますけどこれとこれがあったら可能性が非常に小さいものであってもそれは確率の問題であって、起きるときにはちゃんと起きるんです。何十年というレベルではわからない。何万円、何十万年というデータを取ってはじめてわかるんです。
2号機は穴が開いたので水素がたまらなかったのかもしれない。ただ燃料プールがむき出しになっている。そこに使用済みの燃料がおいてあります。冷却機能が失われている。水位が下がっている。地震によって水が外に出て水位が下がっているのかもしれないし、蒸発しているのかもしれない。燃料プールはコンクリートでできているがこれが大きな爆発とか地震が原因で亀裂ができて、コンクリートはもれますから薄い鉄板をしいていますが、これが切れているとそこからどんどん水が漏れる。それが危惧されている。そうすると漏れている量に対して注入している量が多くなければ水は減っていく。今冷却に成功しているのではなくて決して安心できる状態ではない。何とかがんばっている状態だと思う。
溶融はすでに始まっている。溶融物はやがて格納容器をつきぬける。この段階で大量の放射性物質が出る。冷却に失敗すると、水蒸気爆発、最悪のシナリオは再臨界。核燃料が入っていて運転が止まっていたということは制御棒が入っていたということ。それが溶けて落ちると制御棒と燃料がうまく止まるように混ざってくれているいいが、そうでないとある容積になると、ただあるだけで核反応がまたおこる。制御できない状態で原子炉が再起動するということになる。JCO事故の巨大なものが起きるということ。物理的な可能性としてはありえる。
私が心配したのは水蒸気爆発と再臨界。ホウ酸を入れているのは再臨界を防ぐため。爆発すると規模によるが核燃料が遠くまで飛ぶ。今のままの状態が続いて爆発を起こさない場合は時間とともに徐々に出て行く。事象はマイルドだがずーっと出るという事態に追い込まれる。これどこの段階で止めるかが問題。

いったん外に出た放射線は消えない。濃度は薄まるけどどこかにある。爆発的にボンと行いのと徐々に出るのは違うが地下水にも入るだろうし、生態系にも入る。ただし現在、急速な人体に対する影響はない。影響はあるのは間違いないができるだけ浴びないほうがいいのは事実。




March 19, 2011

いわきが大変

東北関東大震災から8日目、奇跡的に瓦礫の下から23歳の青年が救出されました。道路も徐々に復活し、物資が現地へ。朗報です。しかし、援助の手が届かない地域も沢山あります。東京23区の2倍の面積のいわき市、福島第一原発から30キロ圏内にごく一部の地域が該当するいわき市。「屋内待機」という官房長官の発言により、運転手が放射能汚染を恐がり「ガソリン」が入りません。
 3時間並んでペットボトル一本買える状態で大勢の人たちが屋内で耐えてます。ガソリンさえあれば、自分が出かけてタンクローリーを運転したいと願っています。緊急物資輸送であれば常磐自動車道も使用できるそうです。


明日、香織倶楽部チャンネルでいわきや福島県内の友人たちの声を伝えます
http://www.ustream.tv/channel/香織倶楽部チャンネル01

配信予定時間 午後8時〜
神田香織本人が、電話でいわきの友人や家族に聞きます。

March 13, 2011

大震災

高速道路閉鎖、電車不通でどうやって東京へ避難できるか。やはりむりだったか、部屋の準備をして、甥っ子達を待ったが、午後4時迄連絡なし。原発の状態がツイッターやUstで明らかになり、とにかく避難しなければならないのだ。笑い話になれば幸い。津波で壊滅的な被害を受けた東北各地には、知り合いが沢山いる。仕事で2度も訪れた気仙沼のみなさん、三陸の旅館、美味しい魚のお店、今、もう街の姿は残っていないが、とにもかくにもご無事を祈りたい。そして、東京に住む我々にも静かに危機がせまっている。いまこそ、智慧を試されているようだ。