October 25, 2013

尼崎、京都、そしてフクシマ

23(水)午後から尼崎へ移動。「差別とたたかう上の島文化祭」の人権講演会に呼んでもらう。38年も地域に根ざしている文化祭だそうだ。関西は同和問題をかかえ、昔から連帯し連綿と闘っている。東北はそれがないから「人権意識」が希薄な気がする。それが原発事故後に如実にあらわれ、県民達は戸惑っている…。講演終了後の交流会で隣の方とそんな話をしていたら、なんと今年の春に阿部光裕さんの案内で福島の解放同盟の方を訪ねた!と。流石、阿部光裕さん、私は福島にも解放同盟があるとは知らなかった。しかし結果は「そっとしておいてくれ」とのことだったそうだ。福島県内で解放同盟を立ち上げよというのは厳しい。それよりはむしろ講師を呼び部落解放同盟の闘い方を学ぶことだ。8月末、部落解放同盟西日本の夏期講習会で講演した際にも書いたが、福島県民はあきらかに差別され人権侵害されているのにそれを主張できない。闘い方が分からない。いわきの吉田恵美子さんたちが水俣から学んでいるように、解放同盟の過去から今日まで、いい面もそうでない問題もふくめて学ばねば。


 24(木)尼崎から快速電車で40分。京都の駅は相変わらず大きいが、…薄暗い。眼鏡を取り出し、駅に隣接されているホテルグランヴィア5階古今の間へ。「同和問題」にとりくむ宗教教団連帯会議の「第28回教団行政責任者研修会」講師として呼んでもらう。宗派の違いを乗りこえで30年前から差別問題に取り組んでいるとのこと、流石一流の宗教家の皆様です。
メインの講師は北口末広氏「今日の部落問題と部落解放度運動のこれから」。私はその後1時間。北口氏は部落解放同盟中央執行委員、大阪府連合会執行委員長、近畿大学人権問題研究所教授でいらっしゃる。私も講演を拝聴。1998年に改正された改正均等法で身元調査が出来なくなるまでの就職差別の実例、すさまじい闘いの結果勝ちとった経過など引き込まれた。彼自身「同和地区」の出身という事で若いときに悶々とする。が個人だけ頑張ってもダメと悟ったそうだ。福島の諸問題はどこから手をつけていいかわからず、感情ばかりが溢れ出し怨嗟の叫びは自分たちをさらに追い込んで、言葉にならない状態だ。私も頭をかきむしる毎日だが北口氏の講演から出口につながるヒントを得ることができた。
「事件」に対しての解決の仕方だ。1、事実認定。2、問題点、差別性の整理。3、事件の背景、原因(もちろん複数)4、その背景、原因を取り除く為の課題をあげる。5、課題を方針化、政策化する。6、それを実践する為の新たなシステムを構築する。
これを、原発放射能大放出事件に当てはめる。時間は相当かかるだろうが、不可能ではない。そうだ、まずは北口氏に福島で講演してもらいましょう!
県民同士、いがみ合っている場合ではないのです。責任を取るべき人々は海外で高笑いをしているのですから。