October 31, 2013

上田市から名古屋、そしてクレヨンハウス

26(土)雨の中、午前7時に出発。10時半に会場の上田市城南公民館に到着。午後には雨も上がり一安心。きょうは上田市人権講座で講演会、テーマは「はだしのゲンを語って27年、今ふるさと福島は」。私たち福島県人は人権意識が希薄。自分たちの人権の守り方、主張の方法を部落解放同盟から学ぶべき、と先日京都で聞いた北口先生の話から入り、2時間たっぷり話させてもらった。田村郡から避難している吉田さんという方も来てくれた。山形半年、飛騨高山1年、そして春から上田市。子どもさん達は「もう転校はいやだ」といっているとか。避難家庭15万の皆さんがそれぞれ一人一人が大変な苦労をしている、今現在も。避難生活を強いられている方々の基本的人権、幸福追求権、生存権がないがしろにされたまま、「秘密保護法案」「集団的自衛権」「消費税増税」とは(怒)。それにしても雨上がりの長野は遠景の山々に霧がかかってなんとも美しく…癒されますわ。

27(日)風は強いがくっきりとした秋晴れ。名東保育園を有する社会福祉法人フジ福祉会19回目の「あいあいフェスティバル」に呼んでもらう。広い施設内では市民の手作り品展示会。バックやアクセサリー、洋服、絵画など心のこもった展示品。園庭ではバザーなどが開かれ、夏と冬に福島の子ども達の保養キャンプに取り組んでくれている「あいちから」の大学生達もPRに。ほんとに晴れて良かった!講談ワークショップを7年続けている劇団うりんこのみなさんもご近所ということで来てくれた。演芸前半はフラああり手品あり歌あり、2部で講談。毎年古典芸能に取り組み一昨年は狂言、昨年は落語で今年は講談。張り扇をたたきだしたら泣いていた園児が静かになって、年配の方々に混ざって小さいお子さん達も静かに「ご平菩薩」を聞いてくれました。園庭では保育士さんたちが「保養支援Tシャツ」を40枚近く販売してくれ、名古屋の女性達の優しさが身にしみた一日でした、あっ男性も(笑)80過ぎの理事長さんの一言「地域の皆さんにプロの芸をみてもらいたい」嬉しいです。ありがとうございました。

29(火)福島瑞穂さんの「議員生活15周年記念パーティー」がクレヨンハウスで。ラッシュなみの大入り、樋口恵子さん、佐高信さん、落合恵子さん、大勢の友人達が次々とスピーチ。きな臭い政治状況だから危機感で盛り上がり、瑞穂さんも「総理大臣になるぞ〜」と。嬉しかったのは後藤政志さんとお目にかかれれたこと、3,11直後、避難先の長野で連日、後藤さんの解説を手に汗を握ってみていた頃を思い出す。後手後手のしかも不誠実な政府、東電の対応。案の定心配したとおりになってしまった…。気を取り直して握手。

こちらの写真は藤村早百合さん鈴木邦夫さんと。




October 25, 2013

尼崎、京都、そしてフクシマ

23(水)午後から尼崎へ移動。「差別とたたかう上の島文化祭」の人権講演会に呼んでもらう。38年も地域に根ざしている文化祭だそうだ。関西は同和問題をかかえ、昔から連帯し連綿と闘っている。東北はそれがないから「人権意識」が希薄な気がする。それが原発事故後に如実にあらわれ、県民達は戸惑っている…。講演終了後の交流会で隣の方とそんな話をしていたら、なんと今年の春に阿部光裕さんの案内で福島の解放同盟の方を訪ねた!と。流石、阿部光裕さん、私は福島にも解放同盟があるとは知らなかった。しかし結果は「そっとしておいてくれ」とのことだったそうだ。福島県内で解放同盟を立ち上げよというのは厳しい。それよりはむしろ講師を呼び部落解放同盟の闘い方を学ぶことだ。8月末、部落解放同盟西日本の夏期講習会で講演した際にも書いたが、福島県民はあきらかに差別され人権侵害されているのにそれを主張できない。闘い方が分からない。いわきの吉田恵美子さんたちが水俣から学んでいるように、解放同盟の過去から今日まで、いい面もそうでない問題もふくめて学ばねば。


 24(木)尼崎から快速電車で40分。京都の駅は相変わらず大きいが、…薄暗い。眼鏡を取り出し、駅に隣接されているホテルグランヴィア5階古今の間へ。「同和問題」にとりくむ宗教教団連帯会議の「第28回教団行政責任者研修会」講師として呼んでもらう。宗派の違いを乗りこえで30年前から差別問題に取り組んでいるとのこと、流石一流の宗教家の皆様です。
メインの講師は北口末広氏「今日の部落問題と部落解放度運動のこれから」。私はその後1時間。北口氏は部落解放同盟中央執行委員、大阪府連合会執行委員長、近畿大学人権問題研究所教授でいらっしゃる。私も講演を拝聴。1998年に改正された改正均等法で身元調査が出来なくなるまでの就職差別の実例、すさまじい闘いの結果勝ちとった経過など引き込まれた。彼自身「同和地区」の出身という事で若いときに悶々とする。が個人だけ頑張ってもダメと悟ったそうだ。福島の諸問題はどこから手をつけていいかわからず、感情ばかりが溢れ出し怨嗟の叫びは自分たちをさらに追い込んで、言葉にならない状態だ。私も頭をかきむしる毎日だが北口氏の講演から出口につながるヒントを得ることができた。
「事件」に対しての解決の仕方だ。1、事実認定。2、問題点、差別性の整理。3、事件の背景、原因(もちろん複数)4、その背景、原因を取り除く為の課題をあげる。5、課題を方針化、政策化する。6、それを実践する為の新たなシステムを構築する。
これを、原発放射能大放出事件に当てはめる。時間は相当かかるだろうが、不可能ではない。そうだ、まずは北口氏に福島で講演してもらいましょう!
県民同士、いがみ合っている場合ではないのです。責任を取るべき人々は海外で高笑いをしているのですから。



October 21, 2013

真打ち昇進、そしてご結婚おめでとう〜

18日、宝井一凛さんの真打ち披露興行。今は亡き田辺一鶴師の「東京オリンピック」を聞いて感動したという元ライターの一凛さん。師匠亡き後は宝井琴梅一門に入り、今回の真打ち昇進。おめでとう〜。前座のころはあまり化粧をしない方がいいと誰かにいわれほとんどノーメークだったとか。小顔で目が大きくチャーミングな彼女、真打ちになってばっちりメイクしたらとっても素敵。大好きな野球の一席を披露、新作古典両方をこなして立派な真打ちになってくださいね〜。


19日、おめでたが二日続きました。きょうは笠井洋子さんの娘、由美さんと大谷恭子さんの息子、野生さんの結婚式。西方町教会は古くて雰囲気もよく、奥の部屋での披露宴も大変盛り上がりました。司会はなんと私。十条「街なか」のお料理がおいしく、途中で餅つき大会も。またアイリッシュバンドの演奏で新郎新婦もみんなと踊り…。こんなに楽しい披露宴は初めてでした。
新郎新婦の親もバツイチ同士、司会もバツイチ(笑)由美さん野生さん、おふたりはぜひ(私たちの分も)添い遂げてくださいね。



October 14, 2013

名古屋で講演「たたかいは楽しく明るくしつこく」

10月13(日)連休の中日、さわやかな快晴。名古屋キリスト教社会館、福祉研究所主催の講演「たたかいは楽しく明るくしつこく」に呼んでもらい名古屋へ移動。13日は大規模な脱原発集会、パレードもあれば、佐野市では田中正造の葬式パレードもある日。身体が3つあればと思いつつ会場に到着。なんと参加者120人の予定だが押さえた会場は800人以上のキャパ(笑)2時から質疑応答をいれて4時までたっぷり2時間、講談の抜き読みは「フラガール」「ゲン」「チェルノブイリ」「哀しみの母子像」と4作品も。さすがに福祉関係の仕事についている皆さん、ときどき涙を拭いながら聞いてくださった。講演のしめは滑舌、発声。旧い講堂に声がよく響いて心地良く終了。
帰り際、米軍ジェット機墜落事故の土志田和枝さんの話に関心がある方が多く、「哀しみの母子像」が掲載されている拙本はおかげさまで完売〜。
主催者の方々急遽早めの夕食を設定してくださり、名古屋名物の「ひつまぶし」をごちそうに。久しぶりのうなぎ、美味しかったです。特に嬉しかったのは、キリスト教社会館で福島のこどもたちの保養に取り組んでくれていて、また福島はじめ各地から名古屋へ避難している人たちの支援をしている県被災者支援センターの方と知り合えた事。いわきから避難している人たちも相当数いるという、今後、機会をみてぜひお目にかかりたい、「繋がれば力に!」を実感した一日でした。写真はうりんこ劇団講談教室の生徒さん達と。




October 12, 2013

アーサー,ビナードさん

真夏のような日差し、10月と言えば袷、この時期に絽の着物をきたのは初めてだ。NPO「ふくしま支援,人と文化ネットワーク」の“福島を語り、詩を読んだり歌を歌ったりしてとことん福島に寄り添う企画”「車座朗読会」の初回満席で無事終了。
 ゲストのアーサー,ビナードさんのお話は深みがあって面白かったです。なにげに使っている日本語のまやかし。例えば「東北」と東北人がいうけど、「東北」ただの方向をしめしているだけ。「九州」は「州」ある。「四国」は「国」がある。明治以降いかに「東北」が軽んじられて来たか!
そういえば、いわきの「経済人」たちが「東京」を「中央」と呼び、「中央との太いパイプ」などと得意げに言っていたっけ。こうして自らが地元を二流扱いしていたのが、権力に従順な福島県人を作り上げてしまったのかも…。
でも、ここまで屈辱を受け続けていたら「忍耐強い東北人」でも切れなきゃおかしいよ。ほったらかしだったこども被災者援護法、まったくの骨抜き。税金だけとられて人間扱いされてないるんだから。さらにまちかまえる消費増税!
明日は佐野で田中正造の葬式、100年目のパレードがある。行きたいが仕事で行けない、残念。12月16日、あの屈辱の収束宣言の日に田中正造のように「むしろ旗」をかかげて百姓一揆だっぺ。自らが立たなきゃ、端は応援できないんだから。
ビナードさん「今、権力者が流布している言葉で絡めとられている。そうではない、自分たちの言葉を探して発していくことだ」まったくその通り。「いざ、言葉で勝負」の私としては合点だ!のお話でした。