March 20, 2011

後藤政志さん、分かりやすい!

本当は何が起こっているのか 3/19
東芝の元原子炉格納容器設計者、後藤政志さんが
17日午前、参議員議員会館で院内集会がありました。

http://blog.iwajilow.com/?eid=1070906

非常用のディーゼルも立ち上がらない。冷却機能が損なわれている。冷却ができなくなると、水が蒸発します。水位がどんどん下がってきます。外から水を入れないので燃料がすごく高温です。問題は冷却できるかどうか。ほかのシステムで何とかやりくりしながら水を入れようとトライをしています。

格納容器の近くに圧力抑制室がある。これは配管が破綻したとか原子炉で事故があると、その蒸気がここのプール(水のプール)に吹いて、温度が下がって体積が縮まるという仕組み。(圧力抑制室は容器内の水蒸気を水に戻して、圧力を下げる役割がある)その圧力抑制室もだめになっている。
今回は格納容器の圧力が想定の2倍にまで上がった。何かトラブルがあっても最後は格納容器でがんばれるから放射能は漏れないという設計なのに格納容器自体がだめになっている。穴が開いている可能性がある。
外の配水系も津波でやられている可能性がある。ディーゼルも津波でやられている。津波で相当厳しいものがあって同時にいろいろなものを壊している。安全システムはいっぱい作っているが地震は同時にたくさん壊れる。冷やすためには水を入れる水源が必要、ポンプが必要、ポンプを動かすにはエネルギーが必要。この3者がないと動かない。しかも放射能があるので大変作業が厳しい。チェルノブイリでも上空からまこうと思ってパイロットが被曝してみんな死んでいる。
みんな決死隊。被曝しながら作業を行っている。それを考えたらたまらない。原子力の危険性に対してきちんと認識した上で対策を考えるべきである。それを踏まえた上で冷静に対応する必要がある。
簡単に収束はできない。なぜかというと、もうポンプは動いていない。水があるだけ。水があるから何とか維持している。水は蒸発するのでまた水を入れる必要がある。冷えるまでそれを繰り返していかなければならない。
1号機と3号機については建物の中で水素爆発が起こった。現在使用済み燃料プールがむき出しになっている。ここには非常に多くの使用済み燃料がある。使用済みというのは放射能が減っているわけではない。原子力というのは核反応を進めると非常に多くの放射能を出すようになる。それがたくさんある。それは非常に怖い。
2号機において爆発があった。格納容器が破損している可能性がある。圧力が1気圧になっているのでツーツーになっている。格納機能を失っている。ものすごい大きな穴が開いているのではないかもしれない。普通は24時間圧力を計算します。そういうオーダーで漏れがないということを確認して運転をするがそれをとっくに超えている状態。これだけですめばいい。ここから先が問題。
もし仮に水の供給ができなくなると燃料が溶ける。それをメルトダウンという。そうすると溶融物がたまる。この溶融物はものすごく高温です。水素が出るので水素爆発の危険性がある。もうひとつは蒸気爆発の危険性もある。溶融物に水を注ぐあるいは水のプールに溶融した金属を落とすと、一気に蒸発して、爆発する。これが蒸気爆発でものすごいエネルギーです。火山の溶岩が水に入るときと同じ現象です。または溶けた鉄を間違ってこぼして下に水があると爆発する。
溶融金属扱うところでは水と接触させるのは最悪だと知っている。蒸気爆発が起こるというのは怖い。普通は蒸気爆発を防ぐためには水を入れないんです。しかし原子炉では水をかけないと冷やせないんですよ。蒸気爆発を覚悟して冷やすんです。蒸気爆発をおきないように冷やさなければいけない。
事故というのは最悪の組み合わせ。皆さんにお伝えするときに、最悪はこういうことが起きます。でも今はそういうところまで行っていませんというのが大事。
今情報がちゃんと出ているとは思えません。
問題なのはそういう状況にあるときにどうするか、避難させるときに理由を言わずに非難させるのはおかしい。ありえないというこという人はいますけどこれとこれがあったら可能性が非常に小さいものであってもそれは確率の問題であって、起きるときにはちゃんと起きるんです。何十年というレベルではわからない。何万円、何十万年というデータを取ってはじめてわかるんです。
2号機は穴が開いたので水素がたまらなかったのかもしれない。ただ燃料プールがむき出しになっている。そこに使用済みの燃料がおいてあります。冷却機能が失われている。水位が下がっている。地震によって水が外に出て水位が下がっているのかもしれないし、蒸発しているのかもしれない。燃料プールはコンクリートでできているがこれが大きな爆発とか地震が原因で亀裂ができて、コンクリートはもれますから薄い鉄板をしいていますが、これが切れているとそこからどんどん水が漏れる。それが危惧されている。そうすると漏れている量に対して注入している量が多くなければ水は減っていく。今冷却に成功しているのではなくて決して安心できる状態ではない。何とかがんばっている状態だと思う。
溶融はすでに始まっている。溶融物はやがて格納容器をつきぬける。この段階で大量の放射性物質が出る。冷却に失敗すると、水蒸気爆発、最悪のシナリオは再臨界。核燃料が入っていて運転が止まっていたということは制御棒が入っていたということ。それが溶けて落ちると制御棒と燃料がうまく止まるように混ざってくれているいいが、そうでないとある容積になると、ただあるだけで核反応がまたおこる。制御できない状態で原子炉が再起動するということになる。JCO事故の巨大なものが起きるということ。物理的な可能性としてはありえる。
私が心配したのは水蒸気爆発と再臨界。ホウ酸を入れているのは再臨界を防ぐため。爆発すると規模によるが核燃料が遠くまで飛ぶ。今のままの状態が続いて爆発を起こさない場合は時間とともに徐々に出て行く。事象はマイルドだがずーっと出るという事態に追い込まれる。これどこの段階で止めるかが問題。

いったん外に出た放射線は消えない。濃度は薄まるけどどこかにある。爆発的にボンと行いのと徐々に出るのは違うが地下水にも入るだろうし、生態系にも入る。ただし現在、急速な人体に対する影響はない。影響はあるのは間違いないができるだけ浴びないほうがいいのは事実。