May 11, 2010

「クロッシング」を観た

「クロッシング」を観た。あまりに哀しくて美しい映画、これで泣かなかったら人間じゃないって映画だ。北朝鮮脅威論などいかにくだらないか。同じアジア人として、黙って見過ごしていていいのだろうか。ちょうどフランクルの「夜と霧」を読み終えたばかり。人間の尊厳をうばい虫けらのように殺し、虐待する収容所の様子は65年前のナチスドイツのそれと違わない。それが今の時代に存在しているのだ。普天間基地問題で鳩山さんがもたついているおかげで、沖縄の苦悩が多くの国民に理解されつつあるように、北朝鮮の実態はこの映画を観る事で自分の問題として迫ってくる。とにかく観てほしい。
「中国との国境に近い北朝鮮のとある寒村で、親子三人で暮らすヨンスは、肺結核にかかった妻の薬を求め、命がけで中国へ渡る。しかし、脱北の罪で追われる身となり、北朝鮮に戻ることができなくなってしまったばかりか、他の脱北者たちとともに韓国に亡命することになる。その間に病状が悪化した妻はとうとうかえらぬ人に。一人残された11歳の息子・ジュニは、父を探しに、あてのない旅に出るのだが…。」