August 11, 2007

政二さんは怒っている!

「はだしのゲン」がテレビ化されたのは喜ばしい。きのうは漫画にそった内容で、子役の二人がとてもいきいきしていてそれが余計に涙をさそった。しかし2日目は途中から裏切られた思い。「政二さん」、ぜんぜん原作と違ってしまった。口に絵筆をくわえて絵がかけるようになった彼はゲンたちと散歩に出て、ものすごい数の死体が焼かれているのを見る。怒りにふるえた政二は這って死体に近づき「悔しかったろう、哀しかったろう、おれもお前らと同じじゃ、怨みをかき残して、ピカを落とした奴らにみせてやる」と必死になって絵を描くはずではないですか!これがスポーンとぬけて、なんとゲンと隆太がはだかになってはしゃいでいる絵を、政二が口にくわえた絵筆で描いて終わり。冗談じゃない!これはなんなんだ?原作者の中沢さんはじめ政二さんら、被爆者に対する冒涜です!
その上テーマ曲は「千の風になって」。原爆で殺された人達に、浮世離れした裏声で歌う「千の風になって」はふさわしくない。こうして怨念を隠しつづけオブラートにつつみ原爆の実態を国民にも世界にもまじめに伝えないことが、どれぐらい「それからの戦争」に繋がっているか分らない!子役がすばらしかっただけに残念。