January 16, 2007

悪魔のささやき

夫婦喧嘩のとき、妻に「バラバラにするわよといわれた」と焼き鳥屋でお客さんが笑いをとっている。おそらく日本中の飲み屋で交わされているだろうこの会話。なぜ早く離婚しなかったのだろうというテレビのコメントを聞くたびに思う。彼らには想像力がなさすぎる。そんな冷静な判断が出来なくなるのが暴力におびえ自分を否定される暴言にさらされた続けた一般的な妻の実態だ。さらに追い打ちをかけるのが妻をいじめる快感を知った夫、妻の心を縦横無尽にいじくりまわす。こうした修羅場が何年も続いた結果「魔が差して」「悪魔のささやき」であのようなことになってしまったのだろう。(もちろん今回の犠牲者の三橋さんがそうだったかどうかは知りようもないが)死体はとてつもなく重くなるという。やはり離婚した友人の夫が「死体の処理の方法がいくら考えても分らない、だから自分は人を殺さない」としょっちゅういっていたそうだ。「あれは私を牽制していたのかも?」と彼女はわらっていた。カッとなって殺してしまったら、お花をたむけ、手をあわせてからおとなしく自首した方がよかったのだ。もちろん「寝首をかかれる」前に、「逃げるが勝ち」で、とにかく安全なところに身を移す、それから今後を考える、これがまさしく孫氏の兵法。殺されてしまった三橋祐輔さんにこそ、この兵法を知っていて欲しかった。