September 19, 2006

武士はくわねど、高楊枝

日本橋亭夜席。ご常連のお客さんたちのお誘いで春水さんと懇親会へ。講談界に詳しく、次世代の為にも講談をもっと普及させたいと言ってくれ様々のアドバイス。とても嬉しい。嬉しいけれど、「あの講談師は買いだ!」とかいうのってどうかしらん?私たち講談師は仕事がら、矜持と言うものを意識している。「買いだ」「売りだ」というのは株用語、矜持の世界には「経済用語」は似合わない。もともと構造不況のこの業界にそれと知っていて身を投じた我々講談師。昨今のすざましい格差社会にじつは相当あせって、びくびくしながらも私たちは「武士はくわねど、高楊枝」でがんばっているのだ。はじめから勝ち組をめざす人は間違ってもこの世界には来ない、それどころか講談の存在すら知らないのです。買いだ、売りだと言われると、とっても、傷つくのがわれわれ講談師なのです。そこのところどうぞよろしく!