February 04, 2006

「私のオールディズ」

オールディズ三丁目の夕日」をみた。
 昭和30年代は私が産声をあげて10歳まで。いろいろ思い出した。一日5円のお小遣いをもって駄菓子屋にいき、するめの足の大きさをひとつづつ比較していてお店のおばさんにいつも小言をいわれていた事。野菜をもって肉屋へお使いに行きお肉と交換した事。子ども4人が週一回井戸の前に並んで頭を突き出し、シャンプーされたときの痛さ。鶏をつぶそうとする祖父に涙を流して抵抗した事。その肉のおいしさに涙をながして食べた事。そしてあのテレビが出現した興奮。忘れもしない、友達の家のテレビを見にいき、暗くなってかえったら、父や近所のおじさんたちが10人以上、おそろいの消防の半纏を来て、懐中電灯をもってわが家に集まっていた。私を捜索にでるところだったのだ。怒鳴られ、叱られ、とても恐かった。小さくなりながら、普段は大人はかまってくれないのに、こういうときはすごいなぁと子供心にちょっと誇らしい気持ちになったものだ。大人が当然のように子どもを守っていたあの頃…、こどもは叱られながらも大人に全幅の信頼をよせていたあの頃…この映画が感動を呼ぶのは最後の夕日の色のように心が温まるからだろう。
 それにしても茶川役の吉岡秀隆さん、うすぎたなさがとてもリアルだった、友紀さんから離婚を言い出したそうだが、あの姿の影響もあるのかなと?思わせる程だの名演技だった。