February 27, 2006

読み芝居とは?

演劇倶楽部「座」の「おたふく」(山本周五郎原作)を観た。
“元祖てんねん”って感じのおしずを筑前琵琶奏者の上原まりさんが丁寧に演じていて好感がもてた。高い声がぜんぜんじゃまにならない。ナレーターが舞台の前方で本の「地の文」を読む、役者は台詞を言う、まるっきり原作に忠実に。これを「読み芝居」というのだそうだ。なかなかおもむきがあって面白い。…そして、これをひとりでやるのが講談なのですわ、うふふ。鍛えられた声で地の文を読むのは主催者の壤晴彦さん。劇団を維持するのは大変でしょうががんばってください。私も毎回観に行きます!それにしても山本周五郎の作品は殺伐としすぎた今の時代にとても新鮮、心が潤い人に優しく接したくなる。もう一度周五郎を読み返してみよう!

February 25, 2006

「神様こんにちは」

門仲天井ホール趙博の「歌うキネマシリーズ」。今回は「神様こんにちは」を観る。身障者のピョンテと放浪詩人ミヌ、(韓国では詩人は人気があるそうだ)そして身重のチュンジャが慶州にたどり着くまでの、珍道中。趙さんの身障者のまねのうまいのなんの、3人が走って逃げるシーンなど、想像しただけで微笑ましくなってくる。とにかく心温まる、いい話だった。1987年の映画でもうフィルムは廃棄処分になっているという。映画でみることはもうかなわないが、趙さんの愛情いっぱいの語りで充分感動が伝わってくる。情けないニュースが多いこのごろだが、荒川静香の快挙もあわせ、久々に幸福感に浸ることが出来た一日でした。

February 24, 2006

「ルー・サロメ 善悪の彼岸」を観た

「ルー・サロメ 善悪の彼岸」30年前のドミニク・サンダの美しい事!時は1820年。ローマ。「結婚なんて甘い牢獄。古い道徳を無視して新しい経験を私はしたい」。若き哲学者ルーは、ニーチェとその弟子パウルとの共同生活を決意する。これが「聖三位一体」。しかし男どもの嫉妬がもとでまもなく解消、ニーチェは梅毒から発狂、パウルも哀れな結末。というと悲劇みたいだが、私が思うにこれは喜劇。ニーチェは苦悩のない世界に、パウルは暴漢たちにの手で「なりたかった“おんな”」になって死んだのだのだから、彼らは自分ならではの人生を生きたことになる。不幸なのはルーに嫉妬する貞操観念の固まりのようなニーチェの妹。ヒステリー、おせっかい、ほんとに手が付けられない。それにしても抑圧の時代にインテリの魂はどっこまでも自由なのだ。知的な言葉が随所に出てきてうれしくなる。「魂はとても強い力で性へと導く」「私と彼女は想像力で結ばれる」(ニーチェ)
これは他から見つけたルー・サロメの言葉「女とは、自分を引き裂く雷を渇望する木のようなもの、しかも同時に成長を欲する木のようなものです」かっこいいわ〜。


February 21, 2006

「『秘めごと』礼賛」を礼賛

先日坂崎重盛さんにお目にかかったとき帽子とタイがとてもおしゃれで、粋な人だな〜。後日彼の新著「『秘めごと』礼賛」をいただき、まず最初の一行でおおっ!と引き込まれてしまった。
「葉ざくらや人に言われぬ晝(ひる)あそび」(永井荷風)
いいではないの!大人っぽくって…坂崎さん、資料を調べているうちに面白くって、2年半かかってしまったという書き下ろし。谷崎、荷風、乱歩、啄木、吉行、女流短歌、向田邦子などの秘めごとが粋人の彼の手にかかり、ぐっと身近につやっぽく迫る。谷崎がペディキュアをし変装を楽しんでいたなんて、こっちまでウキウキ。啄木のローマ字日記はなるほど日本語じゃ書けない、かなりすさんでいたのねって感じ。現代がいかに男性にとって不幸な時代か。年間約3万人の男性がが自殺を選んでしまっているが、「秘めごとや隠しごとは大人をさらに大人にする」この本を読んだらばかばかしくて死んでいられないよ、きっと。「遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけむ」っていうのは有名だけど「秘めごとせんとや生まれけむ」も。これすべて想像力なのね。

February 20, 2006

「憲法をいかす福島県民の会」呼びかけ人大集合

呼びかけ人大集合
「憲法をいかす福島県民の会」の呼びかけ人が飯坂温泉あづま荘に集合した。福島から飯坂線にのりかえて20分、降りてから15分歩き少しj汗ばんで到着。「チェルノブイリ」公演の呼びかけ人代表を引き受けてくれた高橋哲哉さんと”感激”の初対面を果たした。福島大教授の栗原るみさん、県立医大教授の藤野美都子さんも参加。
 藤野さんは憲法に関心を持つようになったきっかけとして横浜緑区のファントム機墜落事故の話を。つい先日「愛の母子像由来記」パーティーが開かれたばかり、藤野さんに話を土支田勇さんに聞かせたらどんなにか喜ぶ事でしょう…。15日に自民党憲法調査会が「憲法2時草案」作成に着手する決めた。9条について「自衛軍」が集団的自衛権を行使できる事を条文に盛りこむかどうかを議論するという。国際的にも信用のない日本が9条をなくしたら世界に誇るものは何も残らない。(続きを読む) [more...]